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琴縁弦和 東西南北二胡コンサート

11月の福岡は、秋空高く、澄み渡り空気爽やか、風は清く雲が淡くたなびき、紅葉に彩られた山々、美しくすばらしい風景が広がる一年で最も良い季節でした。11月10日午後2時より福岡県春日市スプリングホールにて“琴縁弦和 東西南北二胡コンサート”が開催されました。美麗な秋の空へと優雅なメロディーを運び、観客へは心地良い気持ちをもたらしました

この演奏会は、東京、大阪の二胡演奏家、張連生、甘建民、武楽群の各氏と九州で活躍中の劉福君氏の4名が主演しました。冒頭、誰もがよく知る “川の流れのように”と“シルクロード”を4名の二胡演奏家と劉福君氏の九州地区生徒62名の生徒さんが共演し、宏大な印象を与えた場面は、観客に感動を与えました。

甘建民氏は中国安徽省の出身で、東京にて“甘建民二胡楽院”を創設、十数年来二胡の教育と普及の為に勤勉に努力を重ね成果を上げてきました。彼の演奏による“赶集”は安徽省の民謡に基づいて作曲された二胡独奏曲で、前世紀60年代に中国で流行され、とても人気がある二胡の名曲です。明快で跳躍的な主旋律のユーモアとおどけた表現は即座に聴衆を引き寄せました。もう一曲イタリアの作曲家モンティの“チャールダッシュ”は、世界各国で様々な楽器によって演奏される名曲ですが、彼の二胡独奏は独自の風格を備え、深い印象を与えました。

張連生氏は北京の出身で、幼少の頃から張韶、劉明源、甘柏林、王国潼、閔惠芬などの二胡の大家を師とし、中国放送民族楽団の主席奏者として活躍しました。このように著名な二胡演奏家ですが、来日後演奏や教育以外に“蓮昇二胡楽団”を設立し、団長と芸術監督を兼任、関西で評判が高いだけではなく影響は広範囲に渡り、日本全国各地でコンサートを催しています。今回の彼の演奏による二胡の名曲“江河水”は、素晴らしい音色で情感がこもり涙を誘いました。“万馬奔騰”では、高度なテクニックで魅了しました。

劉福君氏は九州で活躍する二胡演奏家、教育家で、熊本、福岡、佐賀、大分、鹿児島、宮崎、長崎の九州全県で二胡教室を主催、生徒は数百名に及び、門下生は全国に広がっています。九州各地から参加した彼の62名の生徒による大合奏“月夜”、“北京有个金太阳”は、どちらも一定の難度を備えた曲で、相当する演奏技術と長期の訓練がないと完成できません。演奏を聴き、長年の彼の成果と功績を感じ受けました。劉福君氏が独奏した”河南小曲“と自作曲”草原情“は、深い愛情に溢れる解釈で、我をも忘れる表現は観客の盛大な拍手を呼び起こしました。

日本二胡振興会代表の武楽群氏は、20年来日本の二胡の普及と発展に貢献してきました。彼の著作により出版されている「絶対二胡で弾きたい!昭和のうた」「絶対二胡で弾きたい!スタジオジブリ」「絶対二胡で弾きたい!ビートルズ」「二胡で奏でるモーツァルト」などの曲集と二胡教則本は20種類近くにも及び、日本津々浦々、大変好評を博しています。今回彼は二胡独奏による名曲“陽関三畳”と“豫北叙事曲”、また張連生氏、劉福君氏、甘建民氏と共にバイオリンと二胡のための四重奏曲“荒城の月”を演奏しました。

音楽からは離れますが、武楽群氏は国際的に活躍する有名な画家でもあります。彼が演奏(“荒城の月”)で用いたバイオリンは、2011年3月11日に発生した東日本大地震の津波に流された瓦礫の木材を使い製作された楽器です。当時、岩手県陸前高田の海岸にあった7万本の松の木は一瞬にして津波に押し流されましたが、揺るぎなくしっかりと高くそびえ立たった、ただ一本の木が残りました。その木は震災後の復興に希望と勇気をもたらしました。バイオリンの裏板にはこの“一本松”の絵が描かれています。今回は、2012年3月11日にイスラエルのバイオリンの巨匠ギトリス氏も演奏したこのバイオリンと二胡の四重奏でしたが、会場内は感動に包まれ涙を流す人も少なくありませんでした。バイオリンに描かれた、まるでそこに立っているかのような一本松の絵は、武楽群氏が描きました。彼は、バイオリンだけではなく同様に瓦礫の木材から作られたビオラ、チェロにも“一本松”を描き、ビオラは今年7月7日に皇太子殿下によって、またチェロは10月29日に有名な演奏家ヨーヨー・マによって、それぞれ初めて演奏されました。日本のメディアや民間が伝え称賛し美談となっていて、それは日本在住の中国人にとっての誇りです。

今回の“琴縁弦和 東西南北二胡コンサート”は中国大使館文化部、日本二胡振興会、日本華僑華人文学芸術界連合会の後援、張連生氏、劉福君氏、甘建民氏はいずれも日本二胡振興会設立時からの理事です。福岡会場の後は、11月22日に長野県岡谷文化会館、12月8日に富山県民共生センターの両会場にてコンサートが行われます。その主旨は日本と中国の二胡演奏家間の交流、と同時に二胡の振興です。福岡、長野、富山の三会場コンサートでは日本人の二胡愛好者も200人近く出演します。また三会場とも揚琴奏者の張林氏が伴奏し、各地のピアノと打楽器奏者も出演します。

“琴縁弦和 東西南北二胡コンサート”は、間違いなく日本の二胡熱を高め、中国民族の音楽の普及と振興に貢献するでしょう。

レポート:文遅

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