台湾桃園國楽節演奏ツアーレポート

 雲ひとつない晴天の9月11日、劉先生をはじめ九州各県の生徒の皆さんとご家族、昨年上海でも共演してくださった三線の井上哲郎先生の22名が福岡空港に集合し、3泊4日の台湾桃園國楽節演奏ツアーへ出発しました。

 台北空港に到着すると演奏のリハーサルのため、バスで桃園市内の小学校の体育館に移動しました。そこではすぐに練習ができるように、今回伴奏をしくださる台湾のプロの楽団の皆さんが準備をして待っていらっしゃいました。一緒に演奏する大阪の5名の皆さんも加わって、初練習が始まりました。
限られた練習時間でしたので、龔林先生の指導を受けながら、全員で呼吸を合わせて演奏することや曲のテンポ、曲の終わり方などを特に注意しながら練習をしました。
続いて劉先生のリハーサルが行われ、練習後はホテルがある台北市内へバスで移動。
夕食は台湾料理をいただき、明日の本番に備えました。

 12日本番当日。演奏会場の舞台では龔林先生の指揮で日本華楽団のリハーサルが行われていました。日本筑前琵琶奏者の川村旭芳さん、琵琶奏者の葉衛陽先生と葉櫻さん親子、張連生先生と生徒の皆さんが順番に午前と午後の2回、リハーサルを行いました。
私達の演奏もリハーサルを重ねるごとに伴奏と合うようになり本番がとても楽しみになりました。

 今回の桃園國楽節は、8月9日から9月20日まで開催されており、海外からの演奏者によるコンサートは、9月12日だけという事で、会場には沢山のお客様が来場されていました。午後7時30分、日本華楽団の演奏から本番がスタートしました。
 いよいよ出番、1曲目は劉先生のソロ演奏。会場に美しい演奏が響きわたるのを舞台袖で聴いていました。日本の和の心を代表する名曲「春の海」。ゆったりとしたのどかな日本の海の情景が浮かんでくるようでした。二胡と揚琴の掛け合いも素敵でした。
2曲目は劉先生作曲「草原情」。台湾の楽団の伴奏で感情豊かに素晴らしい演奏でした。
会場は大きな拍手に包まれ、お客様の感動がこちらにも伝わってくるようでした。
そして、いよいよ私達も舞台に加わりみんなで演奏です。今回は指揮者はいません。
楽団の揚琴のバチの動きでテンポが決まります。シルクロードから島の風、伴奏の流れに乗って気持ちを込めて、気持ちよく楽しんで演奏する事ができました。会場の暖かい拍手に感動。演奏後に台湾の学生さん達から「とても素晴らしい演奏でした。日本の方が二胡をこんなに弾くのはめずらしいですね。私も二胡を習っています。」と話しかけてくださいました。台湾の皆さんに私達の演奏を楽しんで頂けたことは、本当に嬉しく、このような機会を与えて下さった劉先生に感謝いたします。
こうしてすべての演奏が終わったのは11時頃でした。前日のリハーサルからずっと演奏の様子を見守って、応援してくださった皆さんにも感謝いたします。

 13日は台湾市内観光へ。忠烈祠の衛兵交代式では衛兵さんの一糸乱れぬ動きが凛々しく素晴らしかったです。故宮博物院では観光客がとても多く、館内の広さと美術品の多さに驚き、さすが世界四大博物館だなと感じました。
昼食は皆さん大好きな点心料理。その後、台北1010展望台へ。地上101階ギネスブックに認定されている世界一の高速エレベターは5階から89階の展望所まで毎分1010メートルの速さで、わずか37秒で到着しました。360度のパノラマが広がり絶景を眺めることができました。夕食は前日の演奏会の打ち上げを兼ねて広東料理をいただきながら、美味しいお酒も進み賑やかな楽しい食事会になりました。夕食後は、士林夜市へ。皆さんほろ酔い気分で、劉先生の名(迷)ガイドを先頭に大勢の人で賑わう飲食店や雑貨店を見物しながら迷子にならないように歩きました。この日は、かなりの距離を歩き回りましたので、ガイドの張さんお勧めのマッサージ店に行かれた方も多かったようでした。

 14日最終日、台湾を代表するパワースポット台北市内最古の寺院、龍山寺へ。色鮮やかな建物に今にも飛び立ちそうな龍や鳳凰の細工が目を引きます。多様な神様が祀られていて、皆さんお目当ての神様にお参りをされていました。
ここを最後に宮崎の生徒さんとはお別れとなり、一足早く空港に向かわれました。私達は、台湾での最後の食事、石鍋料理をいただきショッピングを終え、台北空港から福岡空港へと全員無事に帰国することが出来ました。とても楽しく充実した演奏旅行でした。

 今回、同行して下さった阪急交通の西田さんのおかげで安心して旅行が出来ました。また、台湾でガイドを担当して下さった張さんは、日本語が流調でユーモアに溢れ、解りやすい説明に感心しました。バスの中はいつも笑いが絶えず楽しい旅行となり、お二人にはとても感謝しております。
 そして、劉先生には、今回の旅行も私達参加者を暖かく見守って下さり、本当に有難うございました。心から感謝申し上げます。