令和2年7月豪雨と中国南部洪水災害支援チャリティーコンサート
「弦歌弓舞 劉 福君 二胡音楽の世界」に参加して

 令和2年11月14日(土)、紅葉が鮮やかに色づき秋晴れの澄んだ空気、雄大で自然豊かな鹿児島県霧島市の霧島国際音楽ホール主ホールの「みやまコンセール」で「弦歌弓舞 劉 福君 二胡音楽の世界」令和2年7月豪雨と中国南部洪水災害支援チャリティーコンサートが開催されました。

 今年に入りコロナ感染の心配が続く中、できる限りの感染防止策を施しながらお客様のご理解とご協力をいただき無事にコンサートを開催することができました。
お客様には間隔を空けて座席に座っていただきましたが、2階客席まで定員制限ぎりぎりの本当にたくさんのお客様にご来場いただきました。

 霧島でのコンサートは、当初6月に開催される予定でしたが、コロナ感染拡大の影響で延期となっていました。何とか11月に開催が決まり準備を始めたばかりの頃、ご存じのように今年7月熊本県を中心とした集中豪雨で球磨川が氾濫。また同じ時期に中国南部地方の広範囲で大規模な洪水が発生し、日本と中国の両国で甚大な災害が起きてしまいました。

 劉先生は災害が発生した直後、特に球磨川の氾濫で被害の大きかった熊本県の人吉市に行かれ、ボランティア活動に参加されました。被害の深刻さ、復旧作業の大変さを痛感されたそうです。4年前の熊本地震と今回の熊本豪雨の二重の災害から復興に向けて日々頑張っておられる方々が、一日も早く安心した生活を送っていただけるように音楽の力で少しでも応援したいと、今回チャリティーとして開催されることになりました。

 オープニングは、古筝奏者の江周さん、揚琴奏者の周暁丹さん、劉福君九州二胡教室の鹿児島県と宮崎県を中心に生徒26名、また生徒の家族でクラリネットも加わり「シルクロードのテーマ」、「賽馬」と華やかに2曲演奏されました。
鹿児島国際音楽ホール みやまコンセールは、「奇跡のホール」と称賛された音響を誇り日本でも有数の国際的な音楽祭が開催される美しく素晴らしい会場です。
参加された生徒さん達も、このような素晴らしい舞台で演奏できたことに感激されていました。

 オープニングの合奏の後は、古筝、揚琴の伴奏で劉先生の独奏が奏でられました。
日本の四季折々の代表的な曲をメドレーにして、滝廉太郎作曲の「花」から始まり「夏の思い出」~「里の秋」~「雪の降る街を」の4曲が演奏され、懐かしい思い出が甦ってくるかのような温かい雰囲気に会場が包まれました。

 そして、歌謡曲から「川の流れのように」と、コンサートでは初披露ということでお客様に喜んでいただいた高橋真梨子さんの代表曲「あなたの空を飛びたい」と続き、 第一部最後はフォルクローレの代表的な曲「コンドルは飛んでいく」と、クラッシック曲から「ハンガリー舞曲 第5番」の2曲が演奏され、色々なジャンルの曲が盛り込まれたプログラム第一部が終了しました。

 第二部は、中国南部地方の名曲を中心に演奏され、「瑶族舞曲」、「茉莉花」の演奏から始まり、先生方の紹介、また先生方にそれぞれの弦楽器の紹介をしていただきました。
古筝のしなやかな音色、揚琴の輝くような響き、二胡の女性の歌声のような優しく美しい癒しの音色で奏でられるハーモニーは、本当に心地よく皆さんの心に響いたのではないでしょうか。

 演奏は、「蘇州夜曲」「夜来香」「菊花台」「蘇南小曲」と演奏され、第二部後半は劉先生が今回数年ぶりにコンサートで披露したと言われます二胡の最高傑作「二泉映月」が演奏されました。人間の喜怒哀楽、無限の光、夢へのあこがれをこの一曲の中で語るように、訴えるように表現された見事な演奏は、会場の皆さんに感動を与えてくださいました。

 そして、コンサート最後の曲は、行進曲とモンゴル民謡のメロディーをアレンジした「万馬奔騰」が演奏され、疾走する馬の群れをパノラマのように捉えた壮大で迫力ある演奏と馬のいななき声が響きわたると会場は興奮に包まれ最高潮となりました。
会場の割れんばかりの拍手とお客様のアンコールに再登場された劉先生は、今回コロナ禍の中でもご来場いただいたお客様に心からの感謝を述べられ、被災された皆様の一日も早い復興を願いながら、アンコール曲として劉先生オリジナル曲「晩秋」が演奏されました。

 会場のお客様からは、惜しみない温かい拍手が送られ、劉先生の思いがお客様に伝わり、心と心が繋がったような幸せな気持ちで胸が一杯になりました。
まだまだ自粛や制限が強いられる生活が続きますが、生の演奏を聴いて心癒される時間が少しでも増えていくことを願いたいと思います。

 コロナ禍で行われたコンサートでは、お客様と出演者、会場のスタッフ様、コンサートを支えてくださる教室関係者の皆様のコロナ感染予防対策に対する理解と、みんなで協力し合いお互いを思いやりながら作り上げることの大切さを実感しました。

 また、今回私は司会進行というとても貴重な経験をさせていただきました。
コロナ感染防止のため、今回はお客様にプログラムの配布がありませんでしたので、できる限り分かりやすい言葉で曲の紹介をお届けできるように努めさせていただきました。本番前のベルを待つ緊張感、本番中の追加アナウンス依頼の数々に動揺したこと、私の問いかけにも温かい拍手で答えてくださったお客様に感動したことなど、たくさんの事を体験し学ぶことができましたことに感謝しております。

 ご来場賜り、温かいご支援ご協力をいただきましたお客様に心より感謝申し上げます。 
ご出演いただき素敵な演奏を披露してくださった、江周さん、周暁丹さん、開催にあたりご後援いただきました各団体様、みやまコンセールのスタッフ様、裏方で支えてくださった教室関係者の皆様、大変お世話になりました。心より御礼申し上げます。

 また開催に向けて多方面でご尽力いただいた劉先生、薩摩川内教室の野尻さんをはじめ生徒の皆様に心より感謝申し上げます。

 今回、コンサートで集まりました募金と当日のCD販売売上金の全額、総額30万円は、一番被害の大きかった熊本県人吉市に義援金として11月30日松岡隼人人吉市長様に直接届けられました。

 最後に今回は熊本県人吉市と中国南部洪水災害へ義援金を贈呈する予定でしたが、中国側から日本の皆様からの気持ちに感謝しながら義援金は人吉市民の皆様へとの返答がありました事を併せてご報告いたします。

レポート:須藤 小由美